認知症の親も補償対象になる個人賠償責任保険の選び方

認知症患者は年々増加傾向にあり、2025年には5人に1人が認知症患者となる予測されているほどです。また、認知症の症状の一つとして「夜間の徘徊」「単独行動」が上げられ、最近では認知症患者の事故がニュースで取り上げられることも多くなってきました。

2007年に認知症の男性(91)が電車事故で死亡し、JRは電車遅延の損害賠償として約720万円を請求するケースがありました。これを受け、個人賠償責任保険を提供する多くの保険会社が認知症による事故の損害賠償も補償適応範囲と定め始めています。

今回は認知症の親のために備えることの出来る個人賠償責任保険の選び方とオススメについて、保険約款を元にご紹介します。

認知症患者は責任を負わなくても良い?

答えは、ほぼイエス。認知症の患者が事故やトラブルを起こした場合、責任能力を問われるかどうかは、刑法第39条・民法第713条に定められている心神喪失者や心神耗弱者に認知症患者が該当するかどうかによります。

心神喪失者の行為は、罰しない

心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。(刑法第39条:wikipedia)

精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に
他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。(民法713条:wikipedia

心神喪失・心神耗弱とは善悪の判断が自ら下せなかったり(事理弁識能力)、行動の制限が判断できない状態のことを言います。ただし、認知症の場合は進行度により症状にばらつきがあるため、認知症=心神喪失・心神耗弱という決定は出来ません。事故をおこした状況により、判断は裁判所によって異なります。仮に、認知症患者が心神喪失・心神耗弱と認められた場合、責任を問われる事が無い、もしくは軽減されるでしょう。

監督責任者が代わりに賠償責任を負うケースもある

しかし民法第174条を見ていくと、事故やトラブルを起こした本人が責任を負わない代わりに、監督責任者が賠償責任を負う義務が発生する場合があるとも記されています。

責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。(民法714条:wikipedia

認知症患者の監督義務者は一般的に「その家族」と考えられていますが、親族関係の有無、同居の有無、接触頻度、財産管理の関与、日頃の問題行動の内容、それに対する管理や介護の実態などが考慮されて、決定がなされます。

個人賠償責任保険に加入していれば大丈夫なの?

個人賠償責任保険は日常で意図しない事故やトラブルに対して発生した賠償責任を補償する保険ですが、加入者本人(被保険者)以外にも同居している家族や子供も補償の対象となります。詳しくは→ 個人賠償責任保険・特約とは?

従来の個人賠償責任保険では「心神喪失者」である場合、家族や子供の起こした事故やトラブルの場合でも補償対象から外れる保険商品が多数でしたが、近年の事故や裁判事例を元に認知症患者の家族が起こした事故やトラブルも補償対象に追加する動きが出てきています。

選び方のポイント

個人賠償責任保険は保険料の兼ね合いから、単体で販売されていることはありません。多くの場合、クレジットカード会員になり後日付帯手続きを行うか、傷害保険や自動車保険に付帯させる方法が一般的です。ただし、傷害保険や自動車保険の場合、補償対象が限定されている場合があるので、クレジットカード会員向けに販売されている個人賠償責任保険が一番お手頃でかつ分かりやすい内容になっています。

認知症関連の事故が補償対象か確認を

2015年以降、一部個人賠償責任保険が認知症患者による事故やトラブルを対象として追加する動きがありますが、全ての個人賠償責任保険が対応している訳ではありません。なので、保険約款をしっかりと確認して、認知症関連の事故やトラブルが補償対象か確認をしましょう。

補償限度額は1億円以上を

個人賠償責任保険には賠償限度額というものがあります。1回の事故やトラブルにつき、●●●円までなど補償額に制限が設けられています。大体5,000万円からスタートしますが、万が一の為に1億円は設けて置く必要があるかと思います。過去に自転車事故だけで9,800万円の賠償命令が出たケースもあるくらいですので、限度額に関しては余裕を持っておいたほうが良いでしょう。

認知症の賠償責任に対応している個人賠償責任保険

三井住友VISAカード会員向けに販売されているポケット保険の個人賠償責任保険は、2015年10月から公式に認知症の介護者も補償対象に追加するなど、幅広い内容を展開しています。

三井住友カード ポケット保険 自由設計コース 人気
月額 ¥140~¥160
対象 本人・家族・子供(未婚)・監督責任対象者
補償額  1億円~3億円
示談交渉  あり
特徴  月額保険料によって補償額が変わります。いつでも内容の変更はWEBで出来てしまうので、かなりお手軽で補償内容を調整しやすい保険です。

委託先:三井住友海上火災保険株式会社

入会方法  三井住友エブリプラスカード入会後、WEBで申込。

エブリプラスカード申込ページ (公式)

FAQ→ エブリプラスカード申込前によくある質問

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする